自分を変えたい時に読む おすすめマラソン本 3冊
No.1
BORN TO RUN 走るために生まれた~ウルトラランナーVS人類最強の”走る民族”
- 作者: クリストファー・マクドゥーガル,近藤隆文
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2010/02/25
- メディア: ハードカバー
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「人類は走るために生まれてきた唯一の生き物である」ことを、メキシコの秘境に住む走る民族タラウマラ族と屈指のウルトラランナーの壮大なレース対決を通して教えてくれる、ロマン溢れる圧巻の物語です。読んでいて“走りたい”衝動が身体から湧き出てくる感覚があり、自分の中にあるワイルドさを自覚しました。
No.2
型破りなランニングメソッドで波紋を投げ掛けつつ数々の市民ランナーを育成している岩本能史さんの自叙伝的な本。私も岩本さんメソッドを取り入れその効果を実感してる1人です。バッドウォーターマラソンやスパルタスロンへの過酷な挑戦とそこに至るまでの挫折や努力に胸が熱くなります。自分を超えるために走り続ける岩本さんの境地に憧れを感じると同時に、「誰もが自分の人生で輝ける」んだと勇気をもらえる一冊です。
No.3
日本を代表する世界的小説家 村上春樹さんのランニングメモワール。
ランナー(に限らず?)には説明不要、問答無用の1冊でしょうか(かくいう私は最近友人に薦められて読みました汗)。
走らない人に、走る楽しさや走ることが生活に与えるプラスな面を説明する時、的確に表現出来ず歯がゆい思いをする事がしょっちゅうあります。
そんな時、自分の語彙の少なさや表現力の乏しさを呪うのですが、本書で村上春樹さんが綴る言葉は、この上ないほど的確にランナーの心象風景を表現していて感動しました。
そしてあの村上春樹さんに取ってさえ、走ることが職業人(村上さんの場合小説家)たりえるための重要な一部である、ことを知ることが出来てなぜか安堵と嬉しさがこみ上げてきました。
“個々のタイムも順位も、見かけも、人がどのように評価するかも、すべてあくまで副次的なことでしかない。僕のようなランナーにとってまず重要なことは、ひとつひとつのゴールを自分の脚で確実に走り抜けていくことだ”(作中から引用)
この言葉に深く頷くランナーは多いのではないでしょうか。
番外
最後に番外は、強烈なインパクトを与えてくれたこちらの本のご紹介。
※最初に読むのはお薦めしません(苦笑)
日本のマラソン史を代表するランナーで、現役引退後は早稲田大学やS&B食品の陸上部の監督を務められた瀬古利彦さんの著作。
何がこの本の衝撃かというと、近年の初級ランナー向けに「誰でも完走できる」「たった〇〇でサブ4達成」というマラソンへの心理的ハードルを下げてくれるような本と真逆を行くような内容だからです。
「走り始めたら時計を外す、そんなランナーが格好いい」
→ペースは体で把握すべき
「ジョグしながら音楽を聴くのはやめた方がいい」
→神経を使う行為は避けなさい
「東京マラソンで6-7時間もかけて完走して何が楽しいのだろう、と疑問に思った」
→走るの楽しいと思った事がないので分からなかった
などなど、ストイックな教えがたくさんです。市民ランナーであろうが競技者であろうが、走るなら覚悟と努力が必要である、ということを仰っています。
若い頃から世界のトップを目指し、走る事は楽しみでなく過酷なものとして取り組んでこられた瀬古さんだからこそ書ける内容だと思います。
走り始めようと考えてる方には、あまりお薦め出来ません(笑)が、レースに向けて追い込む時、力をくれるかもしれません。
以上、お薦め本のご紹介でした。秋の夜長にどうぞー。
※トレーニングや走法などノウハウ本のお薦めはまた別の機会に。